• 突然ですが、今まで一度しか会ったことがないのに忘れられない人物に出会ったことはありますか。
    私はあります。
    それは、守安但という名の男性でした。
    彼は私の前に突然現れ、そして何の前触れもなく消えてしまいました。
    今、どこでなにをしているのかも、生きているのかももうこの世には存在しないのかもわかりません。
    彼は強烈な思い出を私に残していきました。
    それは、絵という形でした。
    ある日突然、うちに現れた彼は何でも手伝いをするので小屋でもいいので暫くの間、住まわせてほしいといいました。
    そして農家だったうちを昼間は一生懸命に手伝い、夜が明けるまで絵を描いていました。
    25日目の朝、大きな大きな絵を残して彼はいなくなっていました。
    キャンバスにはうちの家族の姿と大きな太陽が描かれていました。
    とても素敵で力強く、そして不思議な魅力のある絵でした。
    彼は何のためにこうして絵を描いているのか、残していくのかと、とても興味が惹かれました。
    そして何とも言えないさみしさも彼がいなくなったことで感じました。
    風のように現れ、そして去って行った守安但のことを何年たっても忘れられません。
    たった少しの時間でも忘れられない強烈なインパクトを持つ人間もいるものなんですね。